UNI-SQUARE
共創がなければ 生まれなかった
NPのスローガン誕生秘話

UNIVA。この社名はUNIVAの理念である「UNITE THE VALUES」を表しています。UNITE THE VALUESとは、その名の通り様々な価値を統合すること。2025年のUNI-SIGHTでは、この「UNITE THE VALUES」の事例を度々紹介していきたいと考えています。
2月号でご紹介するのは、ナチュラリープラスが13年間使ってきたスローガン「無理なく、続けられる」の誕生秘話です。このスローガン、実はUNIVAとナチュラリープラスの共創から生まれたことはあまり知られていません。そこで、このスローガンプロジェクトの舵を取ったUNIVAグループ チーフブランディングオフィサーの朝倉昇誠さんと、当時をよく知るナチュラリープラス日本 取締役の鈴木隆之さんにお話を聞きました。
朝倉さん、鈴木さん、この度はありがとうございました。
知られざるNP×UNIVAの共創の原点

朝倉さん
1999年に日本で誕生したナチュラリープラス(以下、NP)は、たった1つの製品「スーパー・ルテイン」からスタートしました。MLM業界では後発でありながら、あっという間に年商100億円企業に成長します。2008年にUNIVA がNPの株主になり、経営に参画し始めました。
鈴木「2008年頃はMulti-Level Marketing(以下、MLM)に対する世間の印象がよくなかったんです。外資系の同業他社が処分されていたことも影響していたと思います。どんなに優れた製品と健全なビジネスモデルがあっても、MLM業界全体を否定する空気が流れていました」
朝倉「NP=MLMというイメージから脱却するための第一歩として稲葉さんが掲げたのが『地球全体を健康に導くグローバルヘルスケアカンパニー』というNPの理念でした。この理念を社内外に浸透させる必要があり、それを担っていたのがNPの広報宣伝部でした。広報宣伝部からアドフロンテという広告会社が専属代理店として制作物やイベント運営の一切を取り仕切っていたのですが、両社の連携が完全に一心同体だったか?というとそうはなっていない部分があったんです」
当時の朝倉さんはUNIVAの取締役であり、UNIVAのブランディングも担っていました。そんな朝倉さんが稲葉さんに提案してUNIVAに新設されたのが「ブランディングマネジメント室」でした。
朝倉「なので、NPとアドフロンテの人間を融合させたら、お互いをもっと理解することができて、より良い仕事ができるんじゃないかと思ったんです。UNIVAの中でNPのブランディングに携わる部署を立ち上げ、NPとアドフロンテのNAKAMAで構成するというのは、かなり新しい取り組みだったと思います」
鈴木「旧態依然としたMLM業界を変えるには新しい風穴が必要でした。うまくいかなかったら、解散してもかまわないっていう前提だったのも良かったのかもしれないですね」
朝倉「ただ、スローガンをつくるために部署を新設したわけじゃないんです。稲葉さんの『地球全体を健康に導くグローバルヘルスケアカンパニー』という理念だけじゃ、言葉も長いし、概念的なので、社内外にすぅーっと浸透させるのは難しい。そこで、会員さんが新規会員さんを営業するときにNPのベネフィットを一言で伝えられる言葉を作りませんか?と稲葉さんに提案しました。そうしたら、せっかく作ったブランディングマネジメント室でスローガンを作ろうと。それが、このプロジェクトの始まりでした」
“NP予備軍”のインサイトから生まれたスローガン

鈴木さん
スローガンプロジェクトが始動し、最初にブランディングマネジメント室が取り組んだのは「MLM企業に対する意識調査」でした。NPのメインターゲットは50代〜60代と高めですが、調査は30代〜40代の男女600人を対象に行いました。
朝倉「NPが成長するためには、若い層の新市場を開拓することが求められていました。調査でわかったのは、彼らの一定のパーセントはMLMビジネスに中立的であり、ネガティブな印象もないんです。さらに健康意識も高い。一方、この層にNPがほとんど認知されていないこともわかりました。なので、この比較的若い“予備軍”に、好感を得られるNPのブランドパーソナリティを構築することがスローガンプロジェクトのミッションでした」
UNIVAのブランディングマネジメント室では最終的にMLMに中立的な立場にある30代40代の男女のインサイトをトコトン深掘りし、24個の案をNPに提案しました。
鈴木「企画の趣旨から、調査の内容・結果・分析まで非常にわかりやすくまとめてくださったことを覚えています。企画書も50ページくらいあったんじゃないかと。世間のMLMの印象をNPの独自性で変えるという強い思いが感じられました」
朝倉「外資系の他社がビジネス手法自体をウリにした営業トークを中心に展開している中、NPは『商品の良さ』を全面的に打ち出すべきと思いました。そうじゃないと、『地球全体を健康に導く』という理念を掲げる会社のブランドイメージを損なうことにつながりますから」
鈴木「当時『MLM=たくさん買わされて、在庫を持たされて、がむしゃらに活動する』といったイメージを少なからず持たれていたと思います。なので『無理をしない』という言葉は、そういった悪いイメージの世界から最も遠いところにいるMLM企業だということを一言で伝えられる良い言葉だと思いました。このスローガンが生まれたことで、新規の会員さんだけでなく、今いる会員さんも、社員の意識も変わった面があると思います。『無理』というのは受け取る側によって無数の受け取り方がありますよね。こちらが何も聞かずとも『無理ってなに?』と、考えさせる力強い言葉でした」
朝倉「外資系MLM企業がひしめき合っている中でNPが年商100億円を達成できたのは、当時1つしか商品がなかったことが大きいと思います。製品の点数が多い競合他社の場合、全ての製品について知識を入れ、販売するためには自分で購入して使わないといけないからお金もかかる。だから無理にでも売らないといけないっていう負のループにハマります。でもNPの場合は、たった一つの商品で収入がとれることが革新的でした。『他のMLMのように無理な頑張りを行わなくても成功できる』ということが成長ドライバーになっていたし、それこそがNPの強みだと思ったんです。そこを突いた言葉でした」
“孤独で不易” なものだからこそ、ブランドになる

2011年8月に採決されたこのスローガン「無理なく、続けられる」は、翌年の年初からコーポレートスローガンとして機能し、13年間、そして今も使われています。NPは今や、11か国/地域で拠点を持ち、131か国/地域に製品を届ける「地球全体を健康に導くグローバルヘルスケアカンパニー」へと成長し、世界43位のMLM企業になりました。(Global 100 List 2024 by Direct Selling News)。スローガンは企業にとってどんな存在なのでしょうか?
朝倉「スローガンは、ブランドのエッセンスを端的に表現したものであり、企業が一番大事にしていることを表現するべきだと思っています。スローガンの根っこにあるものはいうと『独自性(その企業“らしさ”)』なんです。この独自性というのが非常に深いし、難しい。
例えば、ロエベの服を着て、ルイヴィトンのバックをもって、ルブタンの靴を履いている人がいたら、NAKAMAのみなさんはどう思いますか?きっと『おしゃれな人だな』と思いますよね。でもそれは独自性とは全く違います。表参道を歩いていたら、こういう人がたくさん歩いていますから。独自性はもっと孤独で、強い意志が必要です。さらに何年も使い続けますから、不易(流行を追わない)なものでなくてはいけない。
サントリーのスローガンは“水と生きる”ですが、これって『私たちはとことん水にこだわります』という宣言であり、企業の姿勢やあり方を体現していて、サントリー独自のものだと思うんです。一方でサッポロビールは「乾杯を もっとおいしく。」です。ビールやアルコールでは、すべての会社が「乾杯をおいしく」するのは当たり前ですよね?だから、サッポロの独自性は伝わってきません。他人に『ちょっと、変わっている』とか『ダサい』と思われようと、『自分たちはこれでいいんだ』という強い意志を持って、継続していかないと独自性やブランドは結局、築かれないんです」
最後に、UNIVAとNPの共創を今振り返っていかがですか?
鈴木「スローガンというのは、トップダウンの仕事で、かつ経営目線でないと作れません。『ブランディングマネジメント室』がなければ出来なかった仕事だと思います。朝倉さんたちの提案は裏表がなくて、とても純真な気持ちが伝わってきました。今後も、素晴らしい製品と健全なビジネスモデルを持っているナチュラリープラスは『無理なく、続けられる』100年企業になるよう邁進してまいります」
朝倉「何より、13年間使い続けてもらえていることが嬉しいです」
NP×UNIVAの共創事例は実はこれがただ氷山の一角。これからは少しずつご紹介していきます。鈴木さん、朝倉さん、この度はありがとうございました!