UNI-SQUARE

モバイルアプリ開発で
ユーザーエンゲージメントに革命を

5月から8月にかけて、UNI-SQUAREではUNIVA AWARDS 2022の映えある優秀社/者を紹介しています。8月号では、ナチュラリープラス・シンガポール(NPSG)のVarun Bhalerao(ヴァルン・バレラオ)さんをご紹介します。UNI-SQUARE 2月号でも紹介した最年少のグループメンバーであるVarunさんは、モバイルアプリの開発とユーザーエンゲージメントにおいて優れた実績を残したとして、UNIVA AWARDS 2022の栄冠を手にしました。Varunさんが直面した課題、達成した成果、そしてユーザーエクスペリエンス向上のための継続的な取り組みを探りながら、Varunさんの歩みに迫ります。


最年少、唯一の開発者として入社

VarunさんがNPSGに入社した当時、同社は既存のオンラインストアで多くの問題に直面していました。社内システム(NAVI)との連携が不十分なため会員が別アカウントを作成しなければならないなど、不安定な状態でした。これらの問題を解決するためのモバイルアプリの開発を任されたVarunさんは、安定して使い勝手の良い一連のプラットフォームの構築に取り掛かります。

「NPSGに入社したとき、この職務は非常に影響力があるものだと言われました。新卒で入社した私にとって初めての仕事だったこともあり、当時はその意味がよくわかりませんでした。しかし、時間が経つにつれ、アプリの作り方、アプリのあり方、アプリに搭載する機能などを積極的にインプットしていかなければならないことに気づきました。また、大きなプロジェクトには時間と承認が必要であることも知ることができました。

このモバイルアプリのアイデアは、もともと私のマネージャーによるまったく新しい取り組みでした。彼は新型コロナの最中にウェブサイトを立ち上げましたが、彼自身は開発者ではありませんでした。また、別のプロジェクトで他の責任も負っていました。そこで彼は、自分が色々なことをこなすよりも、プロとしてアプリのプロジェクトに専念してくれる人が必要だと思ったのです。入社時はアイデアがあまり具体的ではなかったものの、初日からプロジェクトに取り掛かりました。その後開発過程でいろいろなことが起こり、当初の計画からは大きく変更がありました。」

Varunさんの意見やアイデアは、プロの開発者として十分に尊重されました。NPSGにとって初めてのリモート社員であったにもかかわらず、チームは常に良好なコミュニケーションを保ちました。

「開発者が何人もいるような大手企業ではあまりないことですが、私は唯一の開発者のため、全てにおいて責任を負いました。決済方法や管理サイトのあり方についても、どのプラットフォームやコーディング言語を使うかを私自身で選択することができたのです。

機能面に関しては、どの機能を優先させるか、どの部分をどのようにデザインし、作成し、連携させるかについて、多くの発言権を持ちました。そう言うと、とても専門的に聞こえますが、その判断さえも私がしているのです。その分、幅が広がるし勉強にもなるので、仕事が楽しくて仕方ありませんでした。複数の上司からの承認を待つ必要もなく、最高のものを作るという創造的な自由を与えてもらえたからです。」

マネージャーのTan Han Wei(タン・ハンウェイ)さんとのコラボレーションは、とてもダイナミックで発展的なものでした。VarunさんとHan Weiさんは、どちらもアプリの開発と成長のさまざまな側面で不可欠な存在であり、新しい業務が発生した場合には常にそれに順応し、継続的な対応を行っています。

「私がNPSGに入社した当初は、Han Weiさんがお客様との主要な窓口となり、ニーズをより深く理解するために積極的にお客様と関わっていました」とVarunさんは言います。「しかし、アプリをリリースして成長していくにつれて、私はカスタマーサポートスタッフと直接コミュニケーションを取るようになり、ユーザーの懸念に迅速かつ効果的に対応できるようになりました。とはいえ、Han Weiさんは今も製品の開発に深く関わっています。」

開発者として実際に手を動かすのはVarunさんですが、Han Weiさんの役割も、製品の機能の優先順位付けにおいて極めて重要です。両者共にカスタマーサービス部門と緊密に連携し、ユーザーからの機能要望を評価し、どの機能がユーザーに最も価値をもたらすかを決定しています。

Varunさんは、「Han Weiさんは、お客様が本当に必要としている製品を確実に提供するために、常に努力しています」と付け加えました。「彼は、定期的にお客様との面談を行い、チームからのフィードバックを集めています。この実践的なアプローチは、私たちの開発プロセスを導き、私たちが作る製品すべてが純粋にユーザーのニーズに応えるものであることを保証する上で欠かすことはできません。」

さらに、サードパーティーの問題対応でも、Han Weiさんは極めて重要な役割を担っています。Google、Apple、Stripe、Singpass、SGLocateなど、外部との間で問題が発生した場合、率先して解決し、アプリのスムーズな運用を実現しています。

「アプリの開発は確かに私の担当ですが、Han Weiさんの役割も同様に重要です。重要なアップデートがあれば、彼が承認を得ます。UIデザイナーが必要な場合も彼が連絡します。新機能を発表するときにプロモーション資料を作成するのも、サードパーティーとの間で発生した問題を解決するのもすべて彼です。私たちの役割は多岐にわたりますが、2人とも独自の方法でアプリの成長に貢献しています。」

このように、VarunさんとHan Weiさんの役割は変わってきていますが、2人ともアプリの継続的な発展と成功に不可欠な存在であることに変わりはありません。

モバイルアプリのリリース、課題、そして成果

2022年初頭、NPSGはモバイルアプリのローンチに成功し、デジタル・トランスフォーメーションの旅における重要なマイルストーンを刻みました。しかし、成功への道のりは困難なものでした。アプリのローンチ直後、Googleとの予期せぬ問題により、アプリが一時的に停止してしまったのです。しかし、Googleとの効果的なコミュニケーションとコラボレーションによって問題は解決し、アプリの運用の再開に至りました。

「当初、アプリは6カ月で完成する予定でしたが、ベータ版を公開した矢先にGoogleとの間で問題が起こってしまいました。私たち側の不備ではありませんでしたが、自社データベースの課金支払いに関係するもので、アプリが私たちのデータベースと連動しなかったのです。そのため、請求書の支払いに関する問題が発生し、解決するのに2〜3週間かかりました。当時はまだユーザー数がそこまで多くなかったので、その点は幸いでした。数人の上層会員にアプリをテストしてもらい、そのために少なくとも1カ月の時間を要しました。これがベータ版の期間です。」

社内システムとの連携に必要なAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の本格的な開発が必要となり、開発プロセスには大きなハードルが立ちはだかっていました。しかし、VarunさんはUIデザイナーと協力し、アプリのインターフェースを作成し、実際の会員にテストしてもらいました。その結果、アプリの使い勝手に自信を持つことができたのです。

「1年前にNP APIでやろうとしていたことを、1年経った今やっと実現できています。当初はNP APIチームからの情報を待っていたのですが、あまりに時間がかかるようではもったいないと思い直しましたね。アプリはNP APIを直接介さない分、より手間がかかることもありましたがとにかくローンチして、今ようやく全データをNP APIに統合できるようになりました。」

モバイルアプリのローンチは、NPSGにとってのターニングポイントとなりました。数カ月後には、アプリがウェブサイトの売上を上回り、会社としてアプリに全面的に注力できる状況に変わったのです。売上高の著しい増加を達成できたのは、アプリの安定性とユーザーエクスペリエンスの向上があったからこそでした。 2021年2月から12月までのオンライン売上は1,755,034 SGD(約1億8千万円)、2022年の同時期には2,051,372 SGD(約2億1千万円)となり、16.8%の伸びを達成しました。

ユーザーエンゲージメント、アプリの機能、そして今後の計画

Varunさんの開発アプローチは確かに革新的でしたが、ユーザーエンゲージメントを飛躍的に向上させたのは、Han Weiさんのクリエイティブなビジョンでした。Han Weiさんは、独自のデジタルリワード / ポイントシステムであるNPコインを構想し、Varunさんと緊密に連携して実現させました。このシステムは、アプリの利用を促すもので、メンバーはアプリで買い物をするとコインを得ることができます。このコインは、抽選会や商品との交換に使用できます。この革新的な戦略により、ユーザーのエンゲージメントが大幅に向上しました。NPコインの導入により、2022年8月と12月に開催された2回の抽選会の参加者は156%増加し、Han Weiさんのアイデアの有効性とVarunさんとのコラボレーションによる成功が証明されました。

「現在、約500人以上のユーザーがいます。当初の目標は、500人の会員を獲得することでした。アプリとしては非常に少ない数字に見えますが、第一にここはシンガポールです。他の地域と比べると、会員の層が狭いのです。また、アプリをダウンロードしてもらうのに、年配の方には少し時間がかかりました。現在もプッシュを続けており、その数は徐々に増えています。次回お話しする時には、少なくとも1000人のユーザーを獲得したいと考えています。

その間の抽選会の例を出しますね。今はデイリーアクティブユーザーの統計はありませんが、平均して350人以上の会員から注文やインタラクションをいただいています。アプリを使ったインタラクティブなアプローチや、2~3週間ごとに購入してくれるアクティブユーザーもいます。数週間に一度、新しいものを購入される方が10〜15人います。彼らはとてもアクティブなユーザーです。」

アプリの機能は、ユーザーエクスペリエンスの向上に極めて重要な役割を果たしました。会員が既存のログイン情報を使用できるようにし、PayNowを支払いオプションとして取り入れ、フォームへの入力と検証プロセスを合理化することで、アプリは新規登録の障壁を大幅に下げ、操作効率を向上させました。アプリの主な機能としては、一括支払い、会員IDログイン、複数の住所保存、内蔵のコインショップなどがあります。

「現在も、ビジネス会員の要望に応じて機能を追加しています。そのひとつが、多くの会員から要望のあった『紹介コード』です。その他にも、NP APIやリソースがネックになっているものもあり、今あるものでベストを尽くしています。例えば、私たちが追加したかった機能で、すでにデザインはしていたのですがやはり機能が必要だったのが、組織図です。メンバー全員から要望があったのですが、残念ながらその機能は日本サイトにしかなく、追加することができません。データを提供してくれるNP APIに依存しているため、独自に取り組むことができないのです。

私たちが取り組んでいる重要な機能は、会社の仕組みやビジネスモデルを示す新入社員向けのチュートリアルやトレーニングビデオのシリーズである『NP 101』です。UIをゼロからデザインし、開発をスタートさせたところです。

最後に、私たちが取り組んでいる機能として、あらゆる種類の達成ポイントを表示することが挙げられます。そのためのアプリが別にあるのは知っています。私たちのアプリの中でそれらを表示することができれば最高だと思います。」

プロセスを合理化しユーザーベースを拡大するために、Varunさんは2つの重要なプロジェクトに焦点を当て、製品の品質を優先しています。

「現在のプロジェクトは、アプリ全体をWindowsアプリで操作できるようにすることです。アプリの構成や設定も今すべて私が行っています。Windowsアプリを開発することで、必要なときにカスタマーサポートスタッフが私に依頼することなく直接変更できるようになります。私たちは、開発に多くの時間を割き、設定に時間を割かないようにしたいと考えています。また、NP APIでの注文作成に関わるNP 2.0プロジェクトにも取り組んでいます。この2つが主なプロジェクトで、7月頃にリリースしようと思っています。

会員が求めていない機能を追加しても意味がないことに早くから気づいていました。プロダクトの品質を高めることで、必然的に多くの人に使ってもらえるようになります。決済コストをさらに下げ、ユーザー数を増やしていくことを目指します。現在、ユーザー数は500人ですが、年間230万SGDの売上があるため、確実に動きがあります。今はオーガニックの成長に任せていますが、アプリが進化すれば、より多くの会員がダウンロードしてくれるでしょう。あと1年以内に1,000人のユーザーを獲得するのが目標です。」

Varunさんと彼のチームは、アプリの将来の発展について意欲的な計画を立てています。それは、このアプリを他のナチュラリープラスの地域に拡大すること。そうすることで、オンラインアプリを持たない地域であってもNPのインフラを利用し、オンライン収益の増加や新規参入に役立てることができます。

「私たちはアプリの地域拡大を期待して韓国支社と連絡を取りましたが、残念ながら実現には至りませんでした。マレーシアなど、他の支社にも協力の可能性を検討しています。私たちのチームでは、さまざまな地域のビジネス要件やポリシーに対応し、異なる言語でのバージョンを作成し、すべての開発経費とコストを引き受けるための準備ができています。

他の地域向けのアプリを開発する際には、特定の地域のニーズに合わせた機能の調整にも積極的に取り組みたいと考えています。すべての開発費を引き受けることで、パートナーとの互恵的な関係の確立を目指し、地域によって年間購読料や注文ごとの支払いなど、異なる報酬モデルを提供します。」

Varunさんの夢は決して尽きることがありません。NPSGの社員は皆、そんな彼の思いを理解し、意欲的にサポートする姿勢を見せてくれています。結果として、NPSG社内での協力的な環境が、アプリの成長のためのコラボレーションと相互支援を育んでいるのだと言えるでしょう。

1 COMMENTS

YOUR VOICE

ご感想とコメントをぜひ聞かせてください!

“vol116-uni-square JPN” への1件のフィードバック

  1. asakura より:

    アプリの将来の発展について意欲的な計画を立てています。このアプリを他のナチュラリープラスの地域に拡大すること。
    そうすることで、オンラインアプリを持たない地域であってもNPのインフラを利用し、
    オンライン収益の増加や新規参入に役立てることができます。

    >ぜひ、これを実現してほしいです。
    >世界は少しずつ変わっています。
    >早く、Varunさんの仕事がGlobalに影響を及ぼせるよう
    >期待します

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です