MESSAGE
UNIVA創業20周年に寄せて
――共創資本主義と平和への歩み
明けましておめでとうございます。
私がUNIVAをアメリカのサンフランシスコで創業したのは、20年前の2006年。今年は「UNIVA 20周年」である。
東西冷戦の終結によって、1990年代からは平和な時代へ世界が動くと思っていたのだが、90年代になって、アメリカ主導によるイラクでの湾岸戦争、旧ユーゴスラビア解体に伴うバルカン紛争など、アメリカ一極体制や地域紛争、民族対立が噴出した時代だった。
また、WTOの発足によりグローバル経済へと加速しつつも、急激な資本の自由化によって、メキシコ、東南アジア各国、韓国、ロシアと世界的に通貨危機が広がっていった。
そして、通信とITの進歩により、企業活動から文化、メディアまでグローバルなつながりが強まり、ボーダレスなネット社会に向けて動いていった時代であった。
そんな時代の1996年にJETRO(日本貿易振興機構)のサンフランシスコセンターで勤務をするために私はアメリカに赴任した。UNIVAがアメリカのサンフランシスコで誕生したのは、UNIVA誕生の10年前に、私がサンフランシスコで働いていたことが起因している。
そして、21世紀に入る。
アメリカ同時多発テロにより「対テロ戦争」の時代になり、平和は遠のき、「国家と非国家との紛争」の時代に変わっていく。EUが拡大し、新興国のBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の存在感が増すことで、アメリカ一極体制から、多極化へと向かう兆しを見せてきた。
また、アメリカのITバブルが崩壊して幕開けした21世紀は、グローバル化した金融のリスクが顕(あらわ)になり、2008年のリーマンショックによる世界金融危機を生む。
そして、ブロードバンドが本格的に普及することで、情報がリアルタイムで世界に広がり、経済と情報がかつてないスピードで世界を結びつける「ネット社会」へと移行し始めた。
人類はより幸せになっているのか?
世界はより平和になっているのか?
社会の発展ために、資本主義による競争は有効である。ただ、格差を増幅する「競争」になっていないか?
勝者はより強者となり、多くの敗者は弱者のまま取り残される。
その結果的な不平等感から生まれる「社会の軋轢(あつれき)」は、平和から遠ざけていっているのではないか?
合理的な利益を認めつつも、相手の利益や痛みも重視する利他的・互恵的な経済社会を育てていくことが、平和へと近づく道になるのではないか?
そんな思いが「共創資本主義」を実現したいというUNIVAの創業の原点である。
UNIVA=Unite the Values。
各々が持つそれぞれの価値を統合していくことで、より大きな価値をみんなで生み出そう。
この「価値」は、自分や自社の持つ価値はもちろんだが、グループ内の価値だけではない。
それは、取引先でもあり、顧客でもあり、事業を取り巻くすべてのステークホルダーの持つ価値の統合を目指す。
それぞれがそれぞれの立場による思惑がある。
だからこそ、その価値の統合には、自分や自社の合理的な利益を追求しつつも、相手の利益や痛みも重視する利他的・互恵的な発想が、UNIVAにおける運営には欠かせないことである。
あなたのそのような発想での行動が、結果的には、平和な社会の実現に寄与すると信じている。
さて、今年の干支は「丙午(ひのえうま)」。
「午」は、力強さ、成功、幸運の象徴。60年に一度の「丙午」の年は、特に活気がある年と言われる。
さぁ、みんなで一緒に、馬が跳ねるが如く、跳躍する年にしましょう!
今年もよろしくお願いします。
UNIVAグループ
会長 兼 グループCEO
稲葉秀二